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ヴァンセンヌ城

ヴァンセンヌ城

更新日:2026年9月22日

パリ近郊で唯一の城塞であるヴァンセンヌ城は、中世建築の傑作であると同時に、フランス史を象徴する存在でもある。 12世紀、ルイ7世がヴァンセンヌの森で狩りを楽しむために建てられたこの城は、その後14世紀にシャルル5世の手によって本格的な王城へと姿を変えた。シャルル5世は城の周囲に城壁を巡らせ、高さ52メートルの主塔(ドンジョン)を築いた。この主塔は、のちに国家の牢獄としても使われることになる。 この建築は歴代の王を守り続け、1682年まで王家の主たる居城であり続けた。この頃、古典様式の王室別館が新たに建設されていたにもかかわらず、ルイ14世はヴェルサイユを選んだ。 19世紀にはナポレオンが軍事目的で塔や砲廓を増築し、城塞はパリを守るための兵舎・武器庫として使われた。 1940年からドイツ軍に占領され、1944年に大きな被害を受けたヴァンセンヌ城は、その後大規模な修復を経た。現在は国防史料局(サービス・イストリック・ド・ラ・デファンス)の本部も置かれており、その図書館と文書館は一般に公開されている。

見どころ

主塔(ドンジョン)

主塔(ドンジョン)

この主塔はヨーロッパで最も高い城塞の塔で、パリの街並みを見渡す圧巻の眺めが広がる。シャルル5世が自らの美術品や写本を保管するために建てたこの塔は、15世紀初頭からルイ11世によって、選りすぐりの囚人を閉じ込める場所として使われるようになった。16世紀から19世紀にかけて国家の牢獄として機能し、ニコラ・フーケ、ディドロ、サド侯爵、ミラボーといった人物たちがここに投獄された。

城壁

城壁

全長1,200メートルの長方形の城壁は、高さ約40メートルの塔9基と、10の城壁区画から成る。既存の建造物を守るために築かれたもので、主塔とともに1373年から1380年にかけて建設され、当時ヨーロッパ最大規模の建設現場となった。

サント・シャペル

サント・シャペル

ヴァンセンヌのサント・シャペルは1379年から存在する。ゴシックとルネサンスの影響が入り混じったこの建物の身廊は、14世紀末における王室建築へのゴシック様式導入を物語っている。キリストの受難にまつわる聖遺物を安置するために建てられ、1853年に歴史的記念物に指定された。内陣のステンドグラスは16世紀半ば、ガラス職人ニコラ・ボーランの手によるものだ。

Infos pratiques

ワンポイントアドバイス

開館時間は時期によって変動するため、訪問前に必ず公式サイトを確認してほしい。 なお、主塔の最上階には、解説付きガイドツアーの予約なしでは入れない。夏季は毎日ツアーが行われるが、それ以外の季節は日曜日のみとなるので注意が必要だ。 25歳未満、求職中の方、障がいのある方は入場無料。

アクセス

ヴァンセンヌ市アヴニュー・ド・パリ1番地に位置し、地下鉄(1号線「シャトー・ド・ヴァンセンヌ」駅)、RER(A線「ヴァンセンヌ」駅)、バス(46番、56番、86番)でアクセスできる。

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