暖かい季節がやってくると、パリは街の表情を変え、人々は外に出て過ごすようになる。セーヌ川の岸辺には砂が敷き詰められ、カフェのテラスは賑わい、公園は街の本当の「リビングルーム」になる。期間限定のビーチ、無料コンサート、野外シネマ、サン=マルタン運河沿いでの即興ピクニックなど、パリの夏はより肩の力の抜けた、お祭り気分のパリを見せてくれる。ただし暑さと観光ハイシーズンならではの混雑には心構えが必要だ。
セーヌ河岸の「パリ・プラージュ」
毎年夏になると、セーヌ川沿いの岸辺数キロメートルにわたって細かい砂、デッキチェア、パラソルが敷かれ、街の中心部が無料の都市型ビーチに姿を変える。バレーボール、ミスト装置、子ども向けのアニメーションなどが夕方遅くまで日々を彩る。
ヴィレット貯水池、パリ・プラージュのもう一つの会場
このイベントは街の北東部にあるヴィレット貯水池にも広がり、監視員付きの水浴、水上アクティビティ、のんびりとした時間を楽しめる。中心部の河岸よりも地元色が強く、観光地らしさの少ない雰囲気だ。
夏のリュクサンブール公園
昼寝にぴったりの広い芝生、現地でレンタルできる木製の小さなヨットを子どもたちが走らせる池、マロニエの木陰に並ぶ緑の椅子。リュクサンブール公園は、パリ中心部を離れずに夏の喧騒から逃れられる最良の場所の一つであり続けている。
6月21日、音楽の祭日(フェット・ドゥ・ラ・ミュジック)
毎年、夏の初日にはこの祭りが季節の幕開けを告げる。街のあちこち、地区の広場から即席のステージまでで無料コンサートが開かれ、アマチュアからプロまでのミュージシャンが夜遅くまで演奏する。
ヴィレット公園の野外シネマ
毎年夏、ヴィレット公園の芝生に巨大なエアー式スクリーンが設置され、日が暮れると無料の野外上映会が開かれる。年ごとに異なるテーマで作品が選ばれるのが通例だ。ブランケットを持参し、良い場所を確保するために早めに到着しよう。
暑さと8月の休業
7月と8月は暑くなりやすく、大型美術館は特に海外からの観光客で混み合う一方、地区の商店や小さなレストランの一部は夏季休暇のため数週間閉まることもある。一息つきたいときは、デパートの高台にあるテラスへ。有料の記念建造物のような行列なしで、風と美しい眺めを楽しめる。
ワンポイントアドバイス
パリ・プラージュは通常7月中旬から8月末まで開催され、両会場とも一日中無料で自由に出入りできる。セーヌ河岸へはオテル・ド・ヴィル駅、シャトレ駅、ルーヴル・リヴォリ駅が便利で、ヴィレット貯水池にはジョレス駅やスターリングラード駅が最寄りとなる。野外シネマへは7号線のポルト・ド・ラ・ヴィレット駅かコランタン・カリウ駅で降りれば、公園のすぐそばに着く。 混雑を避けるには、ビーチは午前中の訪問を、大型美術館は団体客が少ない夕方遅くを狙うとよい。街中に点在するウォレスの噴水で水を補給できるよう水筒を常に携帯し、公園の芝生やサン=マルタン運河沿いでの即興ピクニック用にシートも持って行こう。これは夏を迎えたパリジャンお気に入りの無料の楽しみ方の一つだ。