5行でわかるBnF

フランス国立図書館の起源は、1368年にルーヴルに設けられたシャルル5世の書庫にさかのぼります。蔵書は1721年にリシュリュー通りへ移り、のちにラブルースト閲覧室(salle Labrouste、1868年)、続いて楕円形閲覧室(1936年)が造られました。1988年、フランソワ・ミッテラン大統領が「非常に大きな図書館」の建設を発表し、ドミニク・ペロー(Dominique Perrault)設計のトルビアック(Tolbiac)館が1996年に開館します。2011年から2022年にかけて改修されたリシュリュー館には、以来、誰でも入れる博物館と閲覧室があります。BnFはパリ市内の4つの館に4,000万点以上の資料を所蔵しています。

リシュリュー館:入場無料・予約不要の楕円形閲覧室

BnFの楕円形閲覧室

入口は5 rue Vivienne, 75002 Parisです。手荷物検査を抜けると、楕円形閲覧室にたどり着きます。ジャン=ルイ・パスカル(Jean-Louis Pascal)が設計した縦43メートル、横32メートルの楕円形の空間で、ガラス屋根に覆われ、3層の回廊に囲まれています。カードは一切不要で、入って、座って、本を読むことができます。開架の書棚には、美術史と文化遺産を中心に2万冊以上が並び、そのうち1万1,000冊はバンド・デシネ(フランスの漫画)です。

  • 開館時間:火曜10時〜20時、水曜〜日曜10時〜18時。月曜とほとんどの祝日は休館。
  • 混雑状況:定員は約160人で、週末はすぐに満席になります。オンラインのカウンターで利用者数をリアルタイムで確認できるので、開館直後か火曜の夜に訪れるのがおすすめです。
  • ルール:静粛に、飲食禁止、写真はフラッシュなしで撮影可。クローク、Wi-Fi、カフェのRose Bakery、書店が館内にあります。

ここで1日仕事をするパリジャンも少なくありません。パリのコワーキングスペースのガイドでは、BnFをほかのワークスペースと比較しています。

リシュリュー館:BnF博物館とマザラン・ギャラリー

2階(フランス式の1階)の博物館では、王室、そしてのちに国家のコレクションから約900点が1,200平方メートルにわたって展示されています。見学ルートは円柱の間(salle des Colonnes、古代ギリシャ・ローマの遺物)から始まり、ベルトゥーヴィルのローマ銀器の宝物を収めた貴重品室(cabinet précieux)、18世紀の内装がそのまま残るルイ15世のサロンへと続きます。最大の見どころはマザラン・ギャラリー(galerie Mazarin)です。長さ45メートル、天井画は1646〜1647年にロマネッリが描いたもので、ショーケースには「フランスの大カメオ」(紀元23年頃、現存する古代のカメオとして最大)、ダゴベルトの玉座、いわゆるシャルルマーニュのチェス盤、そして4か月ごとに入れ替わる彩飾写本が並びます。

  • 料金:15ユーロ、割引10ユーロ。18歳未満とBnFパス所持者は無料。企画展とのセット券は18ユーロ(割引13ユーロ)。
  • 開館時間:楕円形閲覧室と同じで、火曜は20時まで夜間開館。
  • 博物館ガイドツアー:20ユーロ(割引15ユーロ)、要予約。

貴賓の間(salon d'honneur)にあるウードン作「座るヴォルテール」の石膏原型には、この哲学者の心臓が納められています。

企画展とヴィヴィエンヌ庭園

マンサール・ギャラリー(galerie Mansart)では年2回の企画展が開かれ、料金は15ユーロ(割引10ユーロ)です。2026年秋はルイーズ・ブルジョワの素描と版画展(2026年10月20日〜2027年2月21日)が開催されます。紙の原料となる植物が植えられた1,900平方メートルのヴィヴィエンヌ庭園(jardin Vivienne)は自由に入れます。外に出ればギャルリー・ヴィヴィエンヌはすぐそこ(当サイトのパリのパッサージュを参照)、リシュリュー通りの向かい側にはパレ・ロワイヤルがあります。

フランソワ・ミッテラン館:タワー、エスプラナード、森

フランソワ・ミッテラン図書館

Quai François-Mauriac, 75013 Parisに、開いた本の形をした高さ79メートルの4棟のタワーが建ち、それぞれ「時のタワー」「法のタワー」「数のタワー」「文字のタワー」と名付けられています。タワーはセーヌ川を見下ろす6万平方メートルの木製エスプラナードの四隅に位置し、エスプラナードは自由に出入りできます。中央の一段低い場所には1万600平方メートルの庭園の森があり、ノルマンディー地方のボール(Bord)の森から運ばれた126本のヨーロッパアカマツが植えられ、その後オーク、シデ、シラカバが加えられました。散策はできませんが、閲覧室がこの森に面しており、6月から9月にはガイドツアーで森に降りることができます。入口はエスプラナードのエスカレーターからで、ホール、書店、展示、カフェは閲覧チケットなしで利用できます。

誰でも使える「オー・ド・ジャルダン」

オー・ド・ジャルダン(Haut-de-jardin)は一般向けの図書館で、中高生から大人まで利用できます。1日チケット5ユーロ、または無料で何度でも使える17時〜20時のチケットで入館できます。年間の閲覧・文化パス(Pass lecture/culture、24ユーロ、26歳未満は15ユーロ)があれば、博物館と企画展も無料になります。テーマ別の閲覧室は庭園に面しており、週末には保護者同伴の16歳未満が無料で使える子ども室が開きます。開館時間は火曜〜土曜10時〜20時、日曜13時〜19時、月曜休館です。

研究者専用の「レ・ド・ジャルダン」

松の木々と同じ高さにある下層階は、研究図書館です。18歳以上で、資料閲覧の必要性を証明する必要があります。学士課程3年目以上の学生、大学教員・研究者、ジャーナリストはその場で登録でき、それ以外の人は認定面談を受けます。研究パス(Pass Recherche)は1日6ユーロ、年間55ユーロです。一般の見学者は入れませんが、館内ガイドツアーでその建築を見ることができます。

企画展、飲食、ガイドツアー

この館の企画展は15ユーロ(割引10ユーロ)で、火曜〜土曜10時〜19時、日曜13時〜19時に開いています。2026年秋は、所蔵品による日本の写真展(2026年9月30日〜2027年1月31日)とジョルジュ・ペレック展(2026年10月13日〜2027年2月14日)が開催されます。食事は西ホールのCafé des Globesで、火曜〜土曜10時〜18時30分、日曜13時〜18時30分に営業しています。小講堂のロビーにはピクニックスペースもあります。館内ガイドツアーは13ユーロ(割引8ユーロ)です。

フランソワ・ミッテラン館周辺の街

図書館の裏手のフランス大通り(avenue de France)には、バーや書店を併設したシネコンのMK2 Bibliothèqueや、パリ・リヴ・ゴーシュ地区のテラス席が並びます。歩行者専用のシモーヌ・ド・ボーヴォワール橋(passerelle Simone-de-Beauvoir)がエスプラナードからセーヌ川を渡り、ベルシー公園や、かつてのワイン倉庫を活用したベルシー・ヴィラージュへと続いています。河岸に停泊する平底船はバーやライブ会場として使われています。

アルスナル館とオペラ館:知る人ぞ知る2つの館

アルスナル図書館(bibliothèque de l'Arsenal、1 rue de Sully, 75004 Paris)は18世紀の邸宅を使っており、そのサロンは13ユーロのガイドツアーで見学できます。ガルニエ宮の中にあるオペラ図書館・博物館は、建物の見学(月曜〜土曜10時〜17時)に含まれています。当サイトの散策ガイドオペラ・ガルニエ周辺もご覧ください。

どんな人向けか、所要時間は

  • 建築ファン:ラブルースト、パスカル、マザラン・ギャラリーならリシュリュー館、ペローと森ならフランソワ・ミッテラン館。各館半日ずつが目安です。
  • 学生・リモートワーカー:1日5ユーロ、17時以降は無料のオー・ド・ジャルダンと、手続き不要の楕円形閲覧室。チケット不要のほかのスポットはパリの無料美術館で紹介しています。
  • 雨の日:楕円形閲覧室と博物館は同じ建物内にあり、カフェと書店も併設されています。ほかのアイデアは雨の日のパリをどうぞ。
  • 家族連れ:子ども向けの無料博物館アプリがあり、フランソワ・ミッテラン館では週末に子ども室が開きます。

実用情報まとめ

館 アクセス 無料・有料 開館時間 推奨滞在時間
リシュリュー館 楕円形閲覧室 5 rue Vivienne, 75002/メトロBourse(3号線)、Pyramides(7・14号線) 無料、登録不要 火10時〜20時、水〜日10時〜18時 30分〜1日
リシュリュー館 BnF博物館 同じ入口、2階(フランス式1階) 15ユーロ/10ユーロ 火10時〜20時、水〜日10時〜18時 1時間30分
フランソワ・ミッテラン館 エスプラナードとホール Quai François-Mauriac, 75013/メトロBibliothèque(14号線)、Quai de la Gare(6号線)、RER C線、トラムT3a Avenue de France 無料 火〜土10時〜20時、日13時〜19時 30分
フランソワ・ミッテラン館 オー・ド・ジャルダン 同上 1日チケット5ユーロ、17時〜20時は無料 火〜土10時〜20時、日13時〜19時 2時間〜1日
フランソワ・ミッテラン館 企画展 同上 15ユーロ/10ユーロ 火〜土10時〜19時、日13時〜19時 1時間

料金は2026年9月に確認したものです。両館とも月曜と、9月上旬の1週間は休館します。リシュリュー館からフランソワ・ミッテラン館へは、Pyramidesからメトロ14号線で約25分です。

さらに足をのばすなら

リシュリュー館は2区のパッサージュと、フランソワ・ミッテラン館はベルシーと組み合わせて回るのがおすすめです。9区方面へ足をのばすなら、BnFが図書館・博物館を運営するオペラ・ガルニエのページもご覧ください。